ブログ:第2回 緑の革命と化学肥料

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自然栽培について語るためには、どうしても避けては通れないこと。

それは慣行農業との違いであり、化学肥料・農薬・除草剤についてです。

これがいちばん波風が立ちやすい部分なので、はじめに触れておきます。

緑の革命と化学肥料

緑の革命とは、1960-1970に起こった農業技術の革新のことです。

この時間に病気、害虫、雑草を駆除する様々な化学物質が開発され、肥料の大量投入により作物生産の効率が大幅に上がりました。

これにより青森県のイネ収量などは10アールあたり300kg程度だったものが、倍の600kgにもなったという事例があります。

これ以降、日本では米不足が発生することはほぼなくなったのだそうです。

素晴らしいですね。

ハーバー・ボッシュ法によってアンモニアが大量生産できるようになったことが、化成肥料の製造を可能にしました。

しかしいっぽうで、化学肥料の過剰投与(あくまで過剰投与)によって硝酸対窒素が地下水に流入し、健康被害を起こした事例も報告されていた。

メトヘモグロビン血症、ブルーベビー症候群などといわれます。

また、農薬に関してはネオニコチノイド系のものが使われることが多いですが、これはミツバチや益虫、土壌生物への悪影響が指摘されています。

除草剤に関してはグリホサート、モンサント社のラウンドアップなどが有名ですね。

グリホサートはWHO傘下のIARCが2015年に「グループ2A(おそらく発がん性がある)」に分類している経緯があります。

同じグループには、赤肉や熱い飲み物、夜間シフト労働なども含まれており、これらの全てが直ちにがんを引き起こすわけではありません。
この分類は、人への暴露量を考慮しない「ハザード評価」であるため、実際の健康リスクとは異なります。
※注意:いっぽう、WHOの発表にも各方面からの圧力がかかってないとも言い切れない

99%以上の農家さんはこれらの点に配慮して、適正基準を守り農作物を作っているわけですね。

これは化学肥料、農薬、除草剤が良くないということではなく「そういうものである」という事実の共有です。

なお、ここで私が強調したいのは、WHOレベルでもこれら化学肥料・農薬・除草剤などに「おそらく」という表現を用いて評価している、というポイント。

大丈夫/大丈夫ではないという基準もまだまだ現代では不確かなグラデーションであり、確定的な表現が難しい程度にしか、科学は進んでいないということ。

西暦2500年くらいになれば「あれは無害(あるいは有害)だった」などと評価できるようになっているかもしれませんがね。

いずれにせよ、私は「まだまだ現代科学は発展途上であり、わからないことだらけである」という立場に立っています。

なお、あらゆる分野でいえることですが、学べば学ぶほど解らない部分が浮き彫りになってくるものです。

自然栽培に深く関係する土壌、微生物などの分野に関してはまだ9割が未解明であるといってもいいと思います。

緑の革命主義について

われわれ農家はプロですから、たくさん勉強して適正基準を守った農産物をお客様の手元に届けるよう研鑽を重ねています。

前述した通り、収量を多くし安定させるためにはこれら「緑の革命主義」に則った栽培方法はきわめて有効ですし、商業的には「これしかない!」といったレベルです。

対して、私はもっと欲張りたかった。

その結果、化学肥料不使用、農薬不使用、除草剤不使用という結論に辿り着きました。

自分もそういう野菜が食べたいし、家族にもそういうものを食べさせたい。

のちの記事で理由と思しき点を語りますが、自然栽培の野菜はとても美味しいですしね。

そして願わくばそんな美味しい野菜を、手の届く範囲の皆様にも届けたい。

こういった理由から、自然栽培に取り組むようになったわけです。

米山菜園はいろいろな農法を参考にしていますが、古くは100年前のやり方にまで手を伸ばしています。

緑の革命以降の効率化された農業が主流の中、アナクロニズムだと思われたとしても。

それ以前の農業に哲学と本質的な面白味を感じてしまうのです。

地産地消と自然栽培

化学肥料・農薬・除草剤について触れましたが、世の中にはポストバーベスト農薬というものもあります。

これは海外から輸入されてくる農作物に用いられることが多いもので、輸送中にカビなどが生えないように収穫後に使う薬剤です。

効率良く栽培して販売するのには良いですが、これらは微量でも長期間摂取すると、肝機能・神経・ホルモン系への影響が指摘されていますね。

食べ物を食べられず体調を崩したりストレスを溜めてしまうよりはマシですが、ポストハーベスト農薬もできれば摂取したくないものです。

これらの点から、米山菜園では「地産地消」「国産国消」を推奨しています。

なお同時に、科学肥料・農薬・除草剤使用の農産物につきましては、必ずしも否定的な立場をとっていません。

これは上越の、新潟の、日本の農家さんたちを信頼しているからです。

しかしいっぽう、現代ではコストカットと効率化、成果至上の資本主義が加速している傾向にあります。

グローバル化と政府の政策により、農業に従事する外国の方々なども増加傾向です。

そんな悪い人はいないと信じたいものですが、どこかでこのモラルの堤防が決壊する日が訪れないとも限りません。

そんなとき、手に届く範囲の皆様に、「米山菜園はこういうスタンスでやってるから安心だよね」と思ってもらえる存在でありたい。

このように願ってやみません。

また、化学肥料や農薬の輸入が制限されたり、異常な高騰をしてしまったとしても影響を受けずに続けていけるスキームを身につけていたいですしね。

生きることは食べることであり、医食同源です。
あなたを使っているものは、あなたが食べたものです。

なにが正しいか正解はない中ではありますが、米山菜園にとってのベストはおそらく自然栽培の中にあるんだと思います。

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